日本でも一度は聞いたことのある、指折りの名門UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)とUSC(南カリフォルニア大学)。留学希望先としても人気ですが、この2校の違いはなんでしょうか。
U.S. News and World Reportによると、UCLAとUSCはそれぞれ、全米のベスト校リストで15位と28位にランクインしています。順位はあまり差がありませんが、実際はどこが異なるのでしょう。より名門とされるのは?両方に願書は送れる?どちらからも合格通知がきた場合、どの大学を選ぶべき?
今日はそこを深掘りします。
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UCLA
それではまず、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)からチェックしてみましょう。
パブリックアイビーであるUCLAは、カリフォルニア州立カリフォルニア大学9校のうちの1つです。ロサンゼルスのウェストウッド地区、サンタモニカ山脈の麓に位置しており、太平洋は目と鼻の先です。
UCLAは大規模で多様なアカデミックコミュニティとして知られています。カリフォルニア大学9校で最大の学部生数を有し、3万人以上の学部生と1万4千人以上の大学院生および医学生が在籍しています。学生は全米50州および100以上の国々から集まっていますが、大部分はカリフォルニア州の出身です。さらに、エスニシティ構成は非常に多様で、学生の35%がアジア系、26%が白人、21%がヒスパニック、6%がアフリカ系アメリカ人、9%が留学生です。
141の専攻と90以上の異なる専門分野を提供しており、その多くは全米最高のアカデミックプログラムとしてランクインしています。さらに、40以上の異なる言語で授業が行われています。アメリカ屈指の大都市に位置する大規模な公立大学に通うことは、多様な機会が豊富にあることを意味します。1,300以上のクラブや学生組織を通し、自身の視野を広げたり異文化に触れることができます。
特にSTEMおよびエンジニアリング分野で強く、世界有数の実験施設を有し、David Geffen School of Medicineで世界最高峰の医学プログラムを提供しています。さらに、毎年提供する医学部への応募者数で全米トップ10に定期的にランクインしています。
UCLAのデメリットは、どんな大規模な公立大学にも共通しています。クラスの規模が大きく、学生が手続きに苦労することがあり、大学院生は小規模な学校よりも、自立心を持ち学ぶ覚悟が必要です。
USC
南カリフォルニア大学(USC)は、ダウンタウンロサンゼルスの中心に近い場所に位置する私立大学です。
ビバリーヒルズに近いUCLAとは異なり、USCの都市型キャンパスはダウンタウンロサンゼルスのアーツ・エデュケーション界隈にあります。健康科学キャンパスにはKeck医学部などがあり、ダウンタウンロサンゼルス(DTLA)のやや北東に位置しています。
USCは大規模な研究機関リソースがあり、文理学部の学生が中心です。2万1,000人という比較的大規模な学部生数にもかかわらず、平均クラスサイズは26人、学生対教員比は9:1となっています。
USCは150以上の異なる専攻と集中プログラムを提供しており、学生には多くの研究機会が提供されています。学生には異なる分野でのダブルメジャーを奨励しており、経営管理と映画研究の組み合わせなどが人気です。また、エンターテインメント産業やハリウッドへのつながりでも有名です。
新入生セミナー、文学コース、およびグローバル社会的責任についてを学ぶグローバルパースペクティブコースが必須科目として定められており、5大陸で50以上のプログラムを提供するUSC Globalに参加することもできます。
USCは奨学金プログラムが充実していますが、裕福な家族の子供たちが通う私立学校と評されており、4年間で約36万ドルの総費用がかかる非常に高額な大学となっています。その費用に加え、多くの学生や卒業生は車を持つことが必要だと述べています。
それぞれの研究機関
USCとUCLA両方とも先端の研究施設がありますが、機関の規模や個々のサポート等、異なるレベルに加えて、各大学が現在取り組んでいるプロジェクトや提供している施設は、進学先を決定する際の重要な要素です。 UCLAによれば、キャンパス内で6,000件の研究プロジェクトが進行中であり、大学生の40%が教員主導の研究に従事しているとのことです。学生は教員主導の研究プロジェクトに参加するか、教員メンターの指導のもとで独自のアイデアを提案して探求する機会があります。 UCLAには2つの主要な学部研究機関があります。人文学、芸術、社会科学、および科学。さらに、デジタルヒューマニティーズセンター、高度研究コンピューティングオフィス、環境と持続可能性研究所など、特定の研究に特化したセンターもあります。
同様にUSCでも多くの機会が提供されています。 SURF(Summer Undergraduate Research Fund)およびSHURE(Summer Humanities Undergraduate Research Experience)プログラムでは、学生が教員主導の研究プロジェクトに参加できます。 SOARプログラムは研究助手になる機会を提供し、学生が独自のプロジェクトを実施したい場合PURF(Provost’s Undergraduate Research Fund)を通じて資金申請も可能です。
加え、Bridge Undergraduate Science Program(BUGS)、Problems Without Passports(PWP)、WiSE Undergraduate Researchなどのプログラムがあります。持続可能性分野に興味を持っている場合、Wrigley Marine Centerも注目すべき施設です。シネマティックアーツ、エンジニアリング、および公共政策のさまざまな学部でも機会があります。
学費や校風
UCLAとUSCの主な違いは、前者が公立機関であるのに対し、後者は私立機関である点です。これは、UCLAが主に州政府の予算で賄われ、USCは学生の授業料と私的寄付から資金を得ていることを意味します。大きな違いには聞こえませんが、授業料と奨学金制度を比較する際には重要です。
(授業料、寮、食事、料金などの)総費用を考慮すると、USCの年間経費は、UCLAに通う州外の学生に比べ約20,000ドル高くなります。
ただし、両校ともニードブラインドの入学方針を採用しており、申請書を評価する際に家庭の財政状況を考慮しません。そして、両校とも経済的しえんの必要性がある場合、100%満たすことを約束しています。
UCLAの学生はUSCよりも多様性がありますが、USCにはより多くの留学生が在籍しています。そして、カリフォルニア自体の文化も考慮してください。USCの学部生の半分未満が同州出身であり、UCLAの学部生の75%以上がカリフォルニア州居住者です。
USCはUCLAよりもグリークライフがより顕著で、USCの男女の約4分の1以上がソロリティやフラタニティに参加しています。
両校とも強力なNCAAスポーツプログラムを有しており、フットボールにおいては最大のライバルでもあります。しかし、USCはより強力なスポーツ志向の校風と、熱心な支持者からなる卒業生ファンベースを持っています。
ロサンゼルスという立地上、両校とも生活費は高くなります。UCLA周辺地域はUSC周辺と比べより高いですが、大学は学生に3年間の住居を保証しています。(USCでは、ほとんどの学生が1年生の後に学生寮を出ます。)
出願システム
UCLAとUSCは2つの異なる出願システムを使用しています。UCLAはUCシステムの一部であるため、UCアプリケーションを使用します。一方でUSCはCommon Appを使用しています。
UCLAに申し込む場合、UCアプリケーションを利用して、UCシステムを導入している他校にも申請することをお勧めします。 UCアプリケーションはCommon Appとは異なり、「Personal insight question」として知られる独自のエッセイ課題を含んでおり、従来のパーソナルステートメントではありません。
UCアプリケーションにはいくつかの重要な構成要素があります。州内生は3.0以上のG A Pが必須です。また、州外生に関してはGPA最低基準が3.4に上がります。USCにはそれに相当するものはありません。これは同時に、競争が激しいと言えます。USCにおける受験生の平均GPAは3.82〜4.0の範囲となっています。
次に、UCシステムは入学選考プロセスでSATまたはACTを考慮していません。一方で、USCは優れたSATまたはACTスコアを持つ学生は申請書に含めることが可能です。
選択的観点から見ると、両校はほぼ同等ランクとなります。UCLAの受け入れ率は8.8%(毎年競争が激化しています)であり、USCの受け入れ率は10%です。ただし、UCLAの学生の75%がカリフォルニア州内の出願者であるため、州外の出願者として申し込む場合、入学は特に難しいでしょう。
全体的に、カリフォルニアの居住者でない場合、UCLAに受け入れられるのはUSCよりも難しいかもしれません。カリフォルニア出身の場合、UCLAに受け入れられる可能性がUSCよりもやや高いかもしれません。
UCLAとUSCは、成績優秀な学生にとってはどちらも素晴らしい選択肢です。
校風、クラス規模、または特定専攻を見比べ出願先を決めましょう。ビジネスマネジメント、映画産業、小規模クラス制を希望する場合、USCがより良い選択肢になるでしょう。しかし、大規模な講義スタイルが気にならず、STEM分野に興味があるならば、UCLAがより理想的な環境かもしれません。
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