基礎の文法を徹底的に勉強したその先から、どこへ進めば良いのか。『This is a pen!』という台詞を実際に使うことは人生においてまず無いでしょうが、ではネイティブってどんな会話をしているのか。今でこそSNSなどのツールがあり簡単に垣間見ることが出来るネイティブのコミュニケーションは、90年代高校生だった私にとっては未知の世界。映画の中でか知らない訳です。そこで丁度良いなと思ったのがテレビで放送していたアメリカのSitcom。SitcomとはSituation Comedyの略語で、コメディがベースになった短めのテレビドラマを指す言葉です。その頃は夕方になると教育テレビ(現Eテレ)でアメリカのホームドラマを放送していたのですが、かの有名なFull House(フルハウス)もここで流れていたドラマです。Sitcomは基本30分番組、内容も家族向けであるのでF○○kに代表される”curse words” や “swear words” 等のお行儀の悪い単語があまり出てこず初級の勉強にぴったりです。とはいえ、大人向けのSitcomですと出てきますよ!Friendsなんかは内容的にも大人向けです。で、私の実際の勉強方法です。
- まずは番組を毎回録画(その頃ビデオです!ビデオ)して通常通りドラマを見て内容を把握する
- 気になった台詞をチェックしておく
- 録画したドラマを再生し副音声の英語で観る
- チェックしていた台詞を英語で聞き、耳で聞こえた通りに書き出す
- 書き出した台詞のスペルがあっているか、辞書で確認
- その台詞の部分を何回も再生して一緒に発音を練習する
- ドラマに合わせて自分も喋りながら頭に入れる
これが基本の工程です。地味だし、一人で台詞何度も言っているのがバカみたいで恥ずかしいし、時間がかかるんですがこれとても良い方法です。しかし今はオンラインでどんな情報も出てきますし、この頃よりは確実に時短ができるはずです。例として、Full Houseの台詞や有名なドラマ、映画のシナリオはオンラインで入手することも可能です。”Full House script”とググればこんなものも出てきます。
ドラマを見ながら台詞を覚えていくことの最大の利点は、特定のイディオム(ある言語に特有の表現や固有の決まり文句)がどういったシチュエーションで使われているかなども同時に学べる点です。イディオムではありませんが、例として:
Mike’s hooked up with Katie! マイクがケイティとイチャイチャしてたって!
Wow, you mean, THE Mike? え?あのマイクが??
“あのマイク”を表現するのにTHE(強調して言う)を使うって、中々英会話の本では学べないし、簡単なのに実際こうやって使うと会話の流れで体験しないと理解できませんよね。
少し小慣れてきたらジョークネタにも挑戦して欲しいです。アメリカにおいての面白さって、失礼ギリギリの際どいところをつついてくるのも特徴かもしれません。政治ネタも日本より多めですね。大人のユーモアにとっておきの教材はSNLでしょうか。1975年から今も続くオバケ番組Saturday Night Liveという生放送のコメディ番組です。ハリウッドスターなど毎回豪華なゲストを招いてコントを繰り広げるんですが、絶妙なジョークだったり、アメリカ人のツボを勉強するのに良いんです。当時この番組内でやっていた偽コマーシャルシリーズですと、尺も短いし英語も聞き取りやすいのでとっかかりとして最適です。
映画や海外ドラマ好きがきっかけで英語の学習を始める方も多いですが、はじめから長い映画で挑戦するのは挫折の可能性しかない!ので、お手軽なsitcomやコメディー番組の短めスキットから取り掛かってください。いつか映画一本を字幕なしで観れるその日まで頑張りましょう。